亡くなった様々な生き物の供養
私が四国の遍路を歩いて回っていた時のことです。
四国の遍路道は、車道と同じ場所を歩いたり、山道を歩いたり、様々な道があります。ある時、少し交通量の多い道路の歩道を歩いていると、一匹の子スズメがいました。「そういえば、子供のスズメを見たことなんてなかったなぁ。かわいいもんだ」と思っていたのですが、狭い歩道の真ん中におり、動かなかったので、ゆっくりと近づき、子スズメが飛んでいくのを期待しました。
その時、子スズメは飛ぶことをせず、道路のほうに歩いて飛び出してしまいました。
「あぶないっ」
交通量の多い道路でしたから、そうは思っても迂闊に助けに飛び出すわけにもいきませんでした。
次の瞬間、車がやってきて、子スズメの命は絶えてしまいました。
子スズメの命が亡くなってしまったことももちろん悲しいのですが、それと同時に、もう、自分の子供に会うことのできないこのスズメの親の気持ちを思うと、より悲しくなりました。
この時から、行きとし生けるものの供養を人と同じようにさせていただこうと決心したのであります。
またある時は、自宅の屋根裏で物音がし始めて数か月、音がおさまってから屋根裏へ昇ってみると一匹のねずみが死んでいました。民家に忍び込めば害獣とされるねずみですが、横たわるその姿からは、生きるために必死で闘ったねずみの生涯が垣間見える気がしました。
ここにも必死の生涯があったのだと実感させてもらいました。
別なある日には、近年隠れた社会問題にもなりつつあるアライグマ被害にあっているお宅から、アライグマが捕まったと連絡を受けて伺ってみると、暑さという季節がら、すでに檻の中で息絶えていました。
そこにもやはり、必死で生きようとしていた一つの命がありました。
人間が社会生活を営む上ではやむを得ない状況というのもございます。
動物の権利と人間の権利との共存というのは、昔からの議論のテーマです。それをどう捉えるかは皆様の選択にお任せしますが、少なくとも私は、全ての命と真摯に向き合い、来世での生まれ変わりの一助となるように読経し、ご縁があるのならば、次の世ではまた別な形で生きとし生けるものたちとの再会を祈りたいと思っております。
当方では、金魚や昆虫の供養から、駆除した害獣の供養、伐採した森林の供養など、生きとし生けるもの一切の供養を承らせていただいております。
事故現場・自殺現場の供養
ご近所に人がお亡くなりになった事故現場があるような場合は、意識しなくてもそこを通るたびについ気になってしまうものです。
以前、出先で埼玉の奥の方まで行った時の話しです。
車で走っていると、少し道に迷い、そのまま走っていると、車同士がギリギリすれ違えるかどうか程度の橋が現れました。そのまま進んで橋の中ほどまで来ると、進行方向の左側に花束と飲み物などが添えてあることに気づきました。
「これは自殺現場だな」
そう思って、橋を超えてから安全な場所に車を停め、歩いてそこまで戻ってきました。まだ新しいお供え物は、その日からそう時間が経っていないことを物語っています。
橋の柵はそれほど高くなく、簡単に乗り越えられる高さです。ですが、橋からその下の川まではかなりの高さがあります。
そこから、ここで亡くなられた方が最後に見たこの景色を、どんな思いで眺め、飛び込んでいったのか、少しの間思いを馳せました。
「僧侶がここまで来て供養したのだろうか?」
そう思いましたがきっと、それはやっていないのではないかと思います。供養というのは、亡くなった方の最後の想いをしっかり引き受けて、そしてお経のありがたい教えを持って成仏させてあげることが大切です。そう考えますと、やはり、現場での供養というのはとても大切なものであると考えています。
最後に、心からの供養をして帰って参りました。この時から、事故現場や自殺現場などでは、可能な限り供養をさせていただこうと決心いたしました。
その場所の関係者の方ではなかったとしても、ご自宅や自分自身への負の影響を気にされる方はどうぞご相談くださいませ。当方では、事故現場の供養や自殺現場の供養なども行わせていただいております。無縁の霊を供養するために尽力された方には、計り知れない神仏の恩恵が授けられるはずです。
心霊スポットなど場所の供養
当方では心霊スポットと呼ばれるようなところの供養も承らせていただいております。
心霊スポットというのはなにも山奥の廃墟などの特別な場所ではありません。いわゆる幽霊というものが定着している場所であればどこでも心霊スポットです。それは、あなたの自宅や職場もなりかねません。
「霊障が心配」というご相談は、今の世の中にあってもたくさんいただきます。実際、これだけ科学が進んだ世の中であっても、説明のできない不思議なことがたくさんあります。
霊は確実におります。
普通の人には目に視えないので気づいていないだけで、多くの人が霊の影響を受けながら生活しています。特にご自宅など、良くない霊が住み着いてしまっていると、心身の不調や運気の停滞に繋がります。
人の供養だけではなく、場所の供養も承っておりますのでご相談くださいませ。
ご自宅の供養
「自宅の空気が良くない」
「良い『気』がしない」
というような場合にはご自宅の供養もご検討ください。
以前、自宅の供養をさせていただいた方は、その後に来た数人の友人が、なにも言っていないのに「なんか家の空気が変わった?」と立て続けに聞いてきたとご報告いただきました。
供養というのは亡くなった者に向けて行うだけではありません。ネガティブな気をポジティブな気に変えるのも供養の効用と言えます。
ご先祖様の供養
以前、戸籍というのは何代まで遡れるのかと思い、母方の戸籍を遡って取りに行ったことがあります。
結果、嘉永6年(1853)まで遡れたと記憶しています。これは教科書にある「ペリー来航」の年と同じ年です。当たり前のことですが、こうして振り返ってみると、全て繋がっているんだなと改めて実感したのを覚えています。
戸籍は戸籍制度ができてからの分までしか遡れませんが、実際に私たちの先祖はもっともっと古くまで繋がっています。
今日、私たちの日常生活の中では、こうした繋がりを実感する機会はありまありませんが、人生の転機や、ご先祖様にふと思いを馳せたとき、こうして自分が命を授かったことに感謝を込めてご先祖様の供養をしてみてはいかがでしょうか。
先祖供養をすれば、私たちがこの大変な社会を生きる上で、ご先祖様方が大きな力を貸してくれるようになるはずです。
物の供養
心霊写真や魂のこもったぬいぐるみ(人形)など、処分に困るものがあります。そういったものもご相談ください。
当方では、そういったものの因縁となる霊もしっかりと供養し成仏させてから、処分させていただきます。
よく、心霊写真に良くないものが写り、その後現実に不幸が起きたなんていう話を聞きます。例えば、写真に写った人の左足におかしな影が写り、数日後、その写真に写った場所と同じ場所を事故で怪我した、などです。
こういうのは、霊に憑かれていたから起きたという場合よりも、霊が警告を与えてくれている場合のほうが多いです。ですから、心霊写真などもただ処分するだけではなく、そこになにか持ち主に対するメッセージはないかどうかしっかりと判断させていただいてから処分させていただきます。
魂が宿れば生き物も物も同じです。どのようなものであっても、行きとし生けるものと同じように供養させていただきます。
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