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書き起こしテキスト
弘法大師が一番信仰していた仏様は
「不動明王」だといわれています。
その理由は、不動明王の使命と御大師様の使命が同じだったからなのです。
不動明王は
「慈怒の両相を現じ、順逆の二機に応ず」といわれますが、簡単に言うと、善良な人々のためには慈しみをもって優しく真理に導き、悪心でものを聞かぬものはこれを打滅してでも天下の安泰のための尽くすという思いです。
この思いが御大師様の当時の気持ちと一緒だったんですね。
ちなみに、不動明王の仏像の祀り方や描き方や掘り方などはすべて空海が広めたとされています。
そして、その思いが当時の天皇である嵯峨天皇を感動させました。嵯峨天皇は御大師様に「国民の永遠の安泰のために、不動明王の像を整えて、護摩法を修せよ」という御沙汰を下して、御大師様は自分で不動明王の像を掘りました。
この時、一刀、木を彫るごとに三礼をして掘ったといいますから、魂がこもった仏像が出来たに違いありませんよね。
その不動明王像、実は今もあります。
それが、千葉県にある成田山新勝寺の御本尊様なのです。
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